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2020-12-02

パートナーシップ

えほん屋・ありが10匹。さんが準備してくださったワークショップのお知らせ。

熊本地震をきっかけに製本、カリグラフィーを始めました。
活動歴が3年を過ぎ、色々とお声がかかるようになってきました。
手探りの状態ですから、思い通りにいかないことばかりです。

えほん屋・ありが10匹。の製本の会。去年の冬。
防寒着を着込み、ありったけの照明を増やしてます。
作業環境として、決して恵まれてるわけではありません。
しかし、とても素晴らしい場となりました。

そうした中で、共に歩んでくださる本屋さんがいくつかあります。
製本の会でお世話になっている、えほん屋・ありが10匹。さんもその一つです。

小学校4年生の常連さん。彼女から教わったことがたくさんあります。

穏やかに時間の流れるお店ですが、
実は厳選された本しか置かれていないのです。
えほん屋ですが、本がメインではありません。
それはカフェメニューにもあらわれています。
もちろん、イベントにも反映されています。

いつも、お茶とちょっとしたおやつが出てきます。
地元の製粉所の小麦粉など良い食材が使われています。
手作りのノンカフェインの飲み物は季節に合わせて。

店主の伊藤さんが、インドのタラブックスに感銘を受けられて、
製本の会ができました。
本を自分たちで作ることができるのだということ。
本を作るために手を動かしながら考えること。
自分の中にある何かを形にしていくこと。
意図したわけではありませんが、自然とそういう会になっていったのです。
初めの1、2回は、紙の目や道具の使い方などを説明しながら、
コンチェルティーナブック、パンフレットソーイング、四つ目綴じなど
簡単な製本から入りました。
次第に、それぞれに作りたいものを作るにはどうしたらいいのか?
という質問に変わっていきました。
単発のワークショップとは違う、毎月一回の会だからできたことなのでしょう。

ピアノの楽譜立てが作りたいというご要望。

製本もカリグラフィーも論理と感覚の両方を刺激します。
作るためには物理的な知識が必要です。
それを、実際に手を動かして体感でつかんでいきます。
身体的に発達段階にある子供にとって、
正確に紙を折り、スムーズに線を引くことは難しかったことでしょう。
大人には、自分の感覚、創造の元を呼び覚ますことが難しかったようです。
えほん屋・ありが10匹は子供だけの場ではありません。
死ぬまで続く人間の精神の成長を軸にしたお店です。

昨年のmichikusaの会。子供たちも一緒に食卓につきます。
元保育園の栄養士である店主が作る、滋味豊かな食事。
陶磁器や漆器を普段から使うことは、物の扱い方を身につける機会となります。

今回のカリグラフィーで書くクリスマスカードのワークショップも、
実際に書くことを通して欧文書体のデザイン理論に
触れられるものにしたいと考えています。

去年の製本の会にて。マーカーを握る子供の手。
ペンのコントロールが難しく、力が入っているのがわかります。
よく、がんばりました。

いい意味で、子供を子供扱いしない本屋さんなのです。


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