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『孤悲』 綴る vol.2

「愛を開いていく本」がテーマ。
日本の美術本の祖、夏目漱石の処女作『吾輩は猫である』(アンカット本)を展示で見たことをきっかけに創作。
閉じたページをペーパーナイフで開きながら読む本。

* アンカット Uncut *

製本の仕上げのカットを施さない状態のこと。又は、その本。
袋綴じになった部分を、ペーパーナイフで開きながら読む。
夏目漱石の処女作『吾輩は猫である』もアンカット。

This book is uncut binding.
Please read while opening a section that isn’t open yet.

* 孤 悲 *

恋の万葉仮名表記。
愛が現在の意味を持つ以前、用いられていた日本古来の言葉。
目の前にいなくても心惹かれる気持ちを、恋、と言い、
人が立ち去る時の別れがたい感情の表形文字が、愛。

“孤悲” is the meaning of “恋” in Manyogana notation.
Love in ancient Japanese.

* missing half *

人には元来、男男、女女、男女の三種類あった。
しかし2つに分かれてしまったため、完全体に戻りたいと
自分の半身を求めてやまない。
「愛は1つになりたいという願いである。」
古代ギリシャの哲学者プラトンは愛をそう説いた。

[ Love is a yearning to be one ]
Ancient Greek philosopher Plato’s words.

この本のために漉かれた落水紙
本のイメージに合わせた竹のペーパーナイフ。両利き用(数量限定)

企画:綴屋
デザイン:creative works Grouper
写真:tsubottlee