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2020-02-13

zineについて

綴るvol.2『孤悲』
夏目漱石の『吾輩は猫である』へのオマージュ。
アンカット本をどうしても作りたかったのです。

zine『綴る』は綴屋の創作物です。
製本だけでなく、本も作るのはなぜか。

『綴る』vol.1の表紙
バラバラのものをつなぎ合わせる、という「綴る」の意味から連想されたデザイン。

3月、つなぐさんにお声掛けいただき、
「大切なもの容れ展 Ⅱ」に出展することになりました。
(3月14・15日 福岡市鳥飼 みんなのろじうらひろば )
たしかに、ノートもアルバムも容れ物。
つなぐさんに「大切なもの」や作品への思いを問われ、
言葉にしてみることにしました。

ノートやアルバムは記録装置だと思っています。
記憶を呼び起こすためのきっかけ。
つまり、本当に大切なのは記憶の方です。
記録するのが楽しくなるノート。
記憶の雰囲気にあうアルバム。
そして、できるだけ長持ちすること。
大切な記憶の良き相棒となれると嬉しい。

作品(vol.2)のために漉いてもらった落水紙。

では、本(zine)を作るということは?
ブランク(からっぽ)のノートやアルバム。
対して、中身も詰まった本(zine)。
込められているのは、もちろん「私」自身です。

綴屋がどんな人間であるのかが表れます。
作りたい気持ちを昇華させるために作り始めたzineですが、
名刺代わりに、私を語ってくれます。
手製本を説明するにも、実物をお見せする方が伝わりやすいです。

また、試作、実験でもあります。
中身がブランクの場合、自分一人で作れますが、
本は、クリエイター、デザイナー、印刷会社との連携が必須です。
製作部数も100冊くらいが限度、手作業なので、時間もかかります。
それを押してでも、自分の世界を形にしていく過程は、
とてつもなく面白く、楽しい。
手作業が可能にしてくれる事も多くあります。
和紙の使用がその最たる例です。
紙も、製本の種類も、内容に合わせて選ぶことができます。
少部数での発行は、個人の創作に向くのだと実感しました。

vol.1は 麻の葉綴じ という和綴じ。
手書きのカリグラフィー,綴じ糸とのバランスを考えられたデザイン。

フリーペーパーとも違う、
広告の入らない、利害とも無関係な、
ただただ、純粋な創作欲求によって作られる本(zine)。
だからこそ表れる、その人の本質、その世界。
綴屋にとって、一人一人の世界が魅力的なのです。
もし、作ってみたい方がおられましたら、お声掛けくださいね。
製本にて創作の一端となれるよう、技術を磨き続けております。

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