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2020-04-26

カリグラフィーマーカーの話

4月の製本の会をお休みし、
お家で書けるようにカリグラフィーのテキストを作りました。
カリグラフィーマーカーついて思うことがあり、
記録しておきたくなりました。

呉竹のcalligraphy マーカー。

実はマーカーで文字を書く事が苦手でした。
始めた時はマーカーでしたが、
1ヶ月でペンで書くようになりました。
製本を学んでいる目の前で、
先生や先輩達がペンで書くのを見ていたからです。
マーカーがとてもチープに感じ、
ペンにしてからは更にペンの方が書きやすくなりました。
私にとってマーカーは扱いの難しいツールでした。

カリグラフィーを始めて間もない頃
2017年にスタヂオポンテで開催された
“Marker-style マーカーの魅力を知る・見つける・楽しむ”
というワークショップに参加しました。
初めてのカリグラフィーワークショップ受講。
講師は天竺桂靖子先生
マーカーなら、初心者の私でも道具も揃えられるし
すぐに使える技術が得られそう、
そう、思い申し込んだのです。

先生手書きの名札。
これもマーカーで書かれてありました。
美しいイタリック体…。
練習のお手本にしてます。

ワークショップ初日、
会場に入った瞬間に展示されていた作品に引き込まれました。
これがマーカーで書かれた作品?
マーカーでここまでできるの?
そう、マーカーがチープな道具なわけではなかったんです。
いや、金額はお手頃価格ですよ!
(1本220円でカリグラフィーを始められる本当にありがたいツール!!)
でも、決して安っぽいものじゃないってこと。
私が使いこなせてないだけの話…。

練習、練習、ひたすら練習。

そのワークショップから3年が経ちました。
家でおさらいはしたものの、マーカーの出番は少ないまま。
相変わらず、マーカーを使いこなせていませんでした。
ところが、良い機会に恵まれたのです。
毎月1回の製本の会でカリグラフィーレッスンの
リクエストに応えることにしました。
製本の道具は一通り揃ってるものの
カリグラフィーの傾斜板、下敷、ペン、インクを
人数分用意するのも大変です。
カリグラフィーの世界の入り口として、
体験してみるのにマーカーは心強いツールです。
まるで、文庫本みたいだと思います。
製本をしている私にとって、
革張り、箔押し、花布・栞つきの上製本は憧れです。
しかし、学生時代、文庫本にどれほど助けられたことか。
1000円足らずで名著が読めるなんて素晴らしい製本です。
金額に依らない、物の価値。

文章はHOLSTEE社のマニュフェスト。
友人に教えてもらった素敵な言葉。
私も大好きな文章です。

そんなことが言えるのも、
マーカーで練習を重ねるうちに
力加減や、扱い方の感覚が変わってきた実感を得られたから。
3年前のあのワークショップ内容が
やっと自分の身に付いてきた嬉しさがありました。

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