2020-02-15
八女手漉き和紙
恵まれたことに、綴屋の住む筑後地方には八女和紙があります。
本作りに欠かせない紙。
その中でも手漉きの和紙についての話です。
イタリアからWSの共同開催者が来日したので、
八女を案内して回りました。
もちろん、和紙工房にもお邪魔。
八女和紙は地味です。
とっても地味。
しかし、無くてはならない用途の和紙を作っています。
表具用、修復用の和紙なのです。
土台となる紙ですから目立ってはいけません。
全てと調和し、支え、耐久性に優れた紙が必要です。
薄く、強い紙を漉くには、楮の繊維の長さがいります。
八女は日本国内でも南の温暖な地域のため、
楮が大きく育ち、長い繊維が採れるのです。
更に、提灯など日用品にも使われていたため、高品質で安価。
まとまった一定数量を作る経験と知識、技術があるのです。
均等、均一な薄い丈夫な紙を大量に作ることができる。
これが、八女和紙の大きな特徴。
紙を漉く体験ワークショップで見られるのは、ほんの一工程。
気温、湿度、原材料の状態、漉き手によって
道具や材料の調合を変え品質を保っています。
なにせ、納品相手はプロ中のプロ。
質が落ちると返品されてしまいます。
紙の手触り、音、色。
どういう材料で、どう作られたのかのお話から
学ぶことが山ほどあるのです。
質の良い紙で作られた本は長持ちします。
紙の良し悪しが判る目を養っていきたいです。
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