パートナーシップ
熊本地震をきっかけに製本、カリグラフィーを始めました。
活動歴が3年を過ぎ、色々とお声がかかるようになってきました。
手探りの状態ですから、思い通りにいかないことばかりです。
そうした中で、共に歩んでくださる本屋さんがいくつかあります。
製本の会でお世話になっている、えほん屋・ありが10匹。さんもその一つです。
穏やかに時間の流れるお店ですが、
実は厳選された本しか置かれていないのです。
えほん屋ですが、本がメインではありません。
それはカフェメニューにもあらわれています。
もちろん、イベントにも反映されています。
店主の伊藤さんが、インドのタラブックスに感銘を受けられて、
製本の会ができました。
本を自分たちで作ることができるのだということ。
本を作るために手を動かしながら考えること。
自分の中にある何かを形にしていくこと。
意図したわけではありませんが、自然とそういう会になっていったのです。
初めの1、2回は、紙の目や道具の使い方などを説明しながら、
コンチェルティーナブック、パンフレットソーイング、四つ目綴じなど
簡単な製本から入りました。
次第に、それぞれに作りたいものを作るにはどうしたらいいのか?
という質問に変わっていきました。
単発のワークショップとは違う、毎月一回の会だからできたことなのでしょう。
製本もカリグラフィーも論理と感覚の両方を刺激します。
作るためには物理的な知識が必要です。
それを、実際に手を動かして体感でつかんでいきます。
身体的に発達段階にある子供にとって、
正確に紙を折り、スムーズに線を引くことは難しかったことでしょう。
大人には、自分の感覚、創造の元を呼び覚ますことが難しかったようです。
えほん屋・ありが10匹は子供だけの場ではありません。
死ぬまで続く人間の精神の成長を軸にしたお店です。
今回のカリグラフィーで書くクリスマスカードのワークショップも、
実際に書くことを通して欧文書体のデザイン理論に
触れられるものにしたいと考えています。
いい意味で、子供を子供扱いしない本屋さんなのです。